市販製品の商用利用について
シール、ペーパーナプキンなど、市販されてるかわいい柄の製品を見て、あ~これつかって何かつくりたいな~、なんて思うこともあるかもしれません。でも、市販製品を購入して、それを素材として使って作品をつくってはいけない場合があります。

たとえばシール。これが製品として出来上がるまでには、絵柄を描いた方がいたり、デザインした方がいたり、様々な人や物事がかかわっています。どんな絵柄であっても、放棄されていない限りそこにはライセンスが存在します。

時には、もしかすると「この感じだったら著作権なんて気にしなくても大丈夫なんじゃない?」なんて思っちゃう場合もあったりするかもしれません。だけど、たとえ子供が描いたらくがきであっても、そこにはちゃんと著作権が存在します。だれかの内面から発信された表現を、他の人が勝手に利用することは許されないことです。

たとえば布をみてみると、商用利用していいものもあれば、だめなものもあります。すべての商品の商用利用を禁止しているメーカーさんもあれば、商品によりけりなメーカーさん、条件によって商用利用可のメーカーさんなど、さまざまです。

ハンドメイドに素材として利用されるような商品をリリースしてるメーカーさんだと、オフィシャルサイトやカタログなどに商用利用の可否について明記してくれていたりもしますが、商品やメーカーさんによっては、どこを見てもそういう情報がわからない場合もあります。そういう時は、たとえ個人であっても、ちゃんとメーカーさんに問い合わせて確認する必要があります。

作品をつくるというのは、自分の内面にあるものを表現することでもあります。内面の発露であれば、そこには著作権があります。権利にかかわることをしているのであればなおのこと、ほかの人の権利も誰よりも守らなければいけません。お互いの権利をきちんと守って尊重しあえる、ステキな世の中でありたいものですね。

いまのところ、商用利用の可否についてのろぺこで把握してる代表的なところは下記のとおりです。

●ファブリック
マリメッコ
許可なく商用利用することは不可だそうです。
ソレイアード
許可なく商用利用することは不可だそうです。
キャスキッドソン
許可なく商用利用することは不可だそうです。
マンハッタナーズ
マンハッタナーズのファブリックは家庭で個人的に使用するためのもので、商用利用は不可です。また、マンハッタナーズのデザインを登用した違法生地も出回っていますので、似た絵柄がある場合は注意が必要です。
リバティー
ブランドオフィシャルの製品と混同されないよう、リバティ社の生地をつかって個人が作ったものだと明記すれば商用利用可です。
コッカ
製品によって不可のものと可能なものがあるそうです。
ココランド
全ての生地に関して商用可能ですが、cocolandの名称は商標のため無断使用不可です。リバティ社と同じく、ブランドオフィシャルと混同されないように個人でつくったものとわかるようにして使用するなら大丈夫なようです。
サニープレイス
このメーカーさんのもの(Sunny place・Kusuguru・Sunny shippo・Chatouillerなど)は商用可能とのです。ただ、ブランドオフィシャルと混同されないような配慮は必要だと思います。
YUWA
デザイナーさんがデザインを提供したものなど、生地の耳部分にデザイナーさんの名前や「商用利用不可」とプリントされているものは商用利用できませんが、その他のものについては制限なく利用できるそうです。
HOKKOH
商用利用可能だそうです。
ただし、生地の耳部分に「許可なく販売禁止」といった表記があるものについては許可を受ける必要があります。

●シールや文房具、ファンシー雑貨など
クーリア(Q‐Lia)
許可なく商用利用することは不可だそうです。
G.C.PRESS
許可なく商用利用することは不可だそうです。

リストは情報が入った際に随時更新していきます♪
著作権的なこと
創作活動をする人にとって、とても大事なもののひとつのが「著作権」。

気持ちを伝える手段には、言葉がありますが、言葉にならない何かを形にしたのが創作でうみだされる作品たち。絵画でも、彫刻でも、アクセサリーでも雑貨でも、ジャンルにかかわらず誰かがその人自身の想いから生み出されたものからは、それぞれの想いが伝わってきます。

口から発せられた言葉も自分を表現してくれるけれど、時間や場所を越えて想いをつたえてくれる「作品」というものは、やっぱりとてもすばらしいものなんじゃないかと、いろいろな作品たちに触れながらしみじみ思ったりします。

そんなすばらしい作品たちの最大の敵といえるものが、模倣 (まねしたり複製したり) や翻案 (アイデアを拝借してちょっと作り変えてみたり) といった、著作権を侵害する行為じゃないでしょうか。


最近すごく気になってるんですけど、ネット上・・・たとえばナントカ知恵袋とかで、「市販品とかほかのヒトが作ったものを見て、まねてつくったものを販売することはできますか?」みたいなことを質問してるヒトがいて、それに対する答えで「手芸品やハンドメイド品には著作権はないから、まねしても文句言われない」なんてことが自信満々にかかれてたりするのをチラホラ見かけるんですよね。

「手芸品」と言う言葉の意味をどう捉えて読むかによると思うんですけど、読んだヒトが間違った認識を持ってしまう可能性が高そうですごくコワいです。

「手芸」という言葉は、意味としては、個人的にする裁縫や刺繍、編み物なんかの創作活動のことを指すんだそうです。ここでいう「個人的に」は、経済的な価値がそれほど大きくない趣味的な規模の創作活動、という意味です。

「手芸品には著作権はない」と書いたヒトは、おそらく「手芸品」というのをたとえばレシピとかHow to本なんかを見ながらつくったものとか、キットのようなものを利用してつくったものとか、先生に習いながらつくったものなんかを指していっているつもりなんじゃないかと思います。「趣味的活動」という言葉を変に解釈してしまうと、そういう意味に感じられなくはないですけど、実際のところ「趣味的活動」というのは経済活動的に見た時の活動の規模に関して表現しているわけで、作っているものの本質についていっているわけではないですよね。

著作権法上での定義で言うと、著作物とは「思想または感情を創作的に表現したものであって、文芸・学術・美術・音楽のジャンルに属するもの(著作権保護法第1章第1節第2条 参照)」、つまり誰かのマネじゃなく、その人自身の考えとか感情とか、内面的なものが創作的に表現されたもので、文芸や学術、美術、音楽のジャンルにはいっているものが著作物で、それに付随する権利は守られなければいけません。

手芸の中に含まれるものでも、それが作り手のアイデアやイメージから生み出されたものなら、立派に「思想や感情を表現したもの」です。趣味的活動の中であっても、そういう、作者の中にあるものを表現した「作品」はいくらでもあるわけで、そしてそういう作品たちについては、当然著作権があります。だから、「手芸品やハンドメイド品には著作権はないから、まねしても文句言われない」というのはまったくの間違い。アホかっ!てかんじですね。

「真似してつくったものでも、お金取らなかったら人に渡したりしても問題ないんでしょ?」なんてこともよく見かける気がしますが、問題ないわけがないですよね。作品を複製したり、それを配布したりするのは、著作権を持っている人にだけ許される権利です。そういう、作者だけが持っている権利を第三者が無断で行使しているわけですから、完全な権利の侵害です。有償だろうが無償だろうがまったく関係ない話です。


アイデアやイメージ、ひらめきを、試行錯誤して形として完成させた尊い結晶こそが「作品」。

自分の中にあるものを表現すること、それをうけとること、その喜びを分かち合う、そんなつながりの喜びはかけがえのないものだと思います。のろぺこは、そんな、喜びがつながりあう場でありたいなと思うのです。