猫の熱中症 おにぎりの場合
日ごと暑さがつのります今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。
のろぺこだんなです。
この時期、気をつけなくてはならないのはやはり熱中症ですよね。気温がさほどでなくても湿度が高い場合もなりやすいというのがこわいなと思います。なんか頭が痛いな・・とか、知らないうちに熱中症気味になっていることも多いですし。
でも、ヒトの場合は自分で気をつけることができるわけなのでまあそれぞれに任せておけばいいですけど、問題は猫たちです。熱中症は猫たちもなってしまいますし、一緒に暮らすコたちを熱中症からまもれるのは家族だけですので、この時期はやはり身が引き締まります。
実は以前、恥ずかしながらおにぎりを熱中症にさせてしまったことがありました。
あれはたしか2016年の夏。
お店はお休みで、たしかのろぺこ嫁は用事で出ていて、僕は家でおにぎりとふたりゆっくりしていました。夏はずっとエアコンを入れているので窓を閉めてるんですが、換気しようと少し窓を開けたらいい風が入ってきたので、そのまましばらく開けておくことにしました。
おにぎりも気持ちよかったみたいで。目を閉じて寝そべるおにぎりを見ていたらなんだかウトウトしてきて・・気がつくとそのまま一緒にお昼寝してしまっていました。
ふと、暑くて目が覚めました。
窓を少し開けたままだったので、寝はじめたときより室温があがったようです。閉めなくちゃ・・と窓のほうに目を向けると、おにぎりはまだ窓の側に横たわっていました。
と、なんだか様子がおかしい。
よく見ると、あきらかに体で息をしている。呼吸が荒い。
(しまった、熱中症だ!)
ザアッと血の気が引きました。ちょうどそのころ病院とかテレビとかで「猫が熱中症になってしまったらすぐ病院へ」といっているのをよく耳にしていたので、すぐ病院に連れて行かなくては・・と思ったのですが、悪いことにちょうどその日はかかりつけ病院の週に一度しかない休診日。猫の救急病院に連れていくべき?とかいろいろ大慌てで考えましたが、とにかくすぐに対処しないと大変なことになる。
熱中症のケアは、とにかく深部体温を下げることと水分補給。我が家で一番冷えるのはエアコンの冷風が直撃するピアノの上なので、まずはそこに寝かせることにしました。
おにぎりを抱き上げてピアノの上に移動させると、おにぎり、ヘロヘロのくせに「具合悪いのにさわるな!」と怒ってきました。
このときの僕とおにぎりは、仲良しではあったもののまだ深く信頼されているとまでは言えない間柄でした。例えば部屋でいっしょにいるときになにか怖い音がすると、当時のおにぎりはひとり一目散にどこかに隠れにいっていました。そんなおにぎりの様子を見ながら僕は、怖い時はぼくを頼ってくれてもいいんだけどな、と、少し寂しいような気持になったものでした。
怒るおにぎりをなだめながらエアコンを冷房フルパワーに。それから、首もと、わきの下など血管が集まる場所を、氷を包んだ濡れタオルで冷やし、さらにできるだけ効率よく体温を下げられるように別の濡れタオルで被毛をかき分けながら皮膚を濡らすようにからだを拭き続けました。
そうして体を冷やしながら、コップに注いだ水をシリンジで飲ませました。
おにぎりのからだはとても熱くなっていて、呼吸も荒く・・それでもからだを拭いたり首もとを冷やしたりされるのをいやがって抵抗する力の弱々しさが胸に刺さりました。
猫の熱中症は家族の責任。ごめんねごめんねと謝りながら、でも、だいじょうぶだいじょうぶ・・とずっと声をかけながら必死に処置を続けました。すると、どうやらおにぎりにも、こちらがイヤなことをしているのではなくおにぎりのために何かやっているらしいことが伝わり始めたようで・・次第に体の力をぬいて身を任せてくれはじめました。
そしていつしかおにぎりは、すがるような表情で僕のことを見つめていたのでした。
心が通じ合った瞬間のような気がしました・・このときのおにぎりの表情は忘れられません。
その後おにぎりは無事にいつもの体温にもどり、元気を取り戻してくれました。何度も何度もおにぎりには謝りましたが・・大事に至らなくて本当に良かったです。
おにぎりには大変な思いをさせてしまったこの熱中症事件でしたが、でも、怪我の功名というか、実はとてもいいこともありました。おにぎりとの心の距離感、信頼感が、明らかに数段階レベルアップしたのです。
怖い音がすると、おにぎり、サッと僕の後ろに隠れるようになりました。
そして、これまでにも増して、目ですごくたくさん会話をするようになりました。
おにぎりはもともとおかあさんや兄弟と一緒にお外で暮らしていたんですが、訳あってお母さんたちと行動を共にすることができなくなり・・ひとり取り残されたおにぎりの寂しくて悲しくて狂ったように泣く姿を見ていられず、家に招き入れ家族になりました。だから、おにぎりにはなんとか「もうひとりじゃないんだ」って信じてほしかった。
頼ってくれるようになった彼を見て、やっと本当の家族になれた気がして心からうれしかったです。
それから月日が経つにつれ、僕とおにぎりの関係は、どんどんお互いに思いあうものになっていきました。
熱中症にさせてしまったのはほんとにもう失敗でしかありません。油断でした。彼にしんどい思いをさせてしまったことは痛恨の極みで、この日の出来事は思い出すたびに胸が痛みます。自分の気のゆるみを思い知ったこと、命の大切さを改めて実感したこと、そして、相手を想う気持ちはちゃんと通じるんだと知ったこと。いろんな意味で大きな経験になりました。
みなさんは熱中症、くれぐれもご注意くださいませ。
猫さんがぐったりして体で呼吸する感じになってたり体が熱くなってたりするときは熱中症の可能性があります。涼しい場所に連れて行って体を冷やしてあげる、水を飲ませるといったことが応急処置になります。病院に連れていく場合もまずは応急処置をして重症化を防ぐ必要があります。重症化すると後遺症の可能性も出てきますので、なってしまった場合は病院で診てもらったほうがいいと思います。
暑いのきらい💦